1994 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎の腸管粘内免疫応答における細胞接着因子の意義に関する研究-細胞接着因子の発現調節と病態の関連を中心として-
Project/Area Number |
06770377
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小畠 昭重 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00254392)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 細胞接着因子 / サイトカイン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎の病変部粘膜における、血管内皮細胞上におけるICAM-1やLFA-1という細胞接着因子の過剰発現をが、本症の病変部位への炎症細胞の浸潤並びに継続的な活性化に重要な役割を果たしていると考えられているが。今回、その調節に関与する種々のサイトカイン並びに細胞接着因子の動態を明らかにするため、免疫組織化学的手法並びにin situ hybridizationにより検討した。その結果潰瘍性大腸炎の病変部においては、血管内皮細胞並びに浸潤単核球の両者において、ICAM-1やHLA-DRの発現の増強が見られた。VCAM-1はほとんど発現が確認されなかった。潰瘍の周辺など特に炎症の強い部位の血管内皮細胞にはELAM-1が発現していた。ELAM-1陽性血管内皮には内因性ペルオキシダーゼをもつ好中球が選択的に接着し、同部より炎症粘膜へ浸潤していることが確認された。また、このような部位ではIL-1やIL-6などのサイトカインが強く発現しており、このようなサイトカインが細胞接着因子の発現をupregulateし、炎症の遷延に重要な役割を果たしていると考えられた。
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