1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺癌における癌退縮抗原(MAGE)に対する液生免疫応答の解折
Project/Area Number |
06770437
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
田中 泰之 久留米大学, 医学部, 助手 (30217088)
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Keywords | ヒト / 肺癌 / MAGE-4a / モノクローナル抗体 / サンドイッチELISA / トランスフェクタント / ペプチドマップ |
Research Abstract |
肺癌患者組織および細胞株における、MAGE遺伝子(癌退縮抗原遺伝子の一つ)の発現をタンパク質レベルで検討した。 1)MAGE-4aのGST融合タンパク質の作製:PCRで増幅したMAGE-4a遺伝子をpGEX-2Tベクターに組み込み、大腸菌にトランスフェクトして融合タンパク質を得、グルタチオン・アフィニティービーズで精製した。 2)MAGE-4a/GST融合タンパク質に対する、ウサギ抗血清およびマウス・モノクローナル抗体(mAb)を作製した。 3)これらの抗体を用い、MAGE-4a抗原の測定系を作製した。すなわち、mouse-mAbを96-wellマイクロタイタ-プレートに固相化し、抗原を反応させた後、ビオチン化ウサギ抗体、アビジン標識ペルオキシダーゼ、および基質を用いて抗原の検出を行なった(サンドイッチELISA)。 4)抗体の特異性は、ウエスタンブロット、ペプチドマッピング等で行なった。MAGE-4aは、細胞株、患者癌組織、およびトランスフェクト・ファイブロブラスト等で、いずれも45-kDaにバンドが認められた。MAGE-4aの融合タンパク質、および、MAGE-4aトランスフェクト・ファイブロブラスト共反応したことから、MAGE-4aとは反応することが示唆された。また、RT-PCRでMAGE-4a/-4b以外のMAGE gene familyの発現が確認されているもので、このバンドが検出された例がないことから、MAGE-4a/-4bに特異的であることが示唆された。 5)この方法は、100pg/ml以上の濃度でMAGE-4aを特異的に検出でき、RT-PCRよりも高感度で、しかも定量性があり、MAGE遺伝子産物を標的とした免疫療法のワクチン開発に有用であることが示唆された。
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