1994 Fiscal Year Annual Research Report
神経ベーチェット病に特異的に増多するrδT細胞のシグナル伝達機構における機序の解析
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06770467
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
青山 悦子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90175753)
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Keywords | γδT細胞 / ベーチェット病 / チロシンリン酸化 / Streptococcus sanguis |
Research Abstract |
神経ベーチェット病(BD)患者における連鎖球菌Streptococcus sanguis(KTH-1)抗原に特異的に反応するγδT細胞の機能を解析する目的で以下の検討を行った。 I.KTH-1抗原刺激に対するγδT細胞の反応性の検討 神経BD患者末梢血リンパ球をKTH-1 10μg/ml存在下で9日間培養し、分裂増殖したT細胞をFACScanにて表面マーカーを解析した。CD3+γδ+T細胞は抗原刺激前5.0%から21.2%と増殖した。さらに増殖したγδ陽性T細胞の約48%はCD8陽性細胞であった。 II.細胞内シグナル伝達機構の検討 BD患者末梢血リンパ球を分離し、KTH-1 10μg/ml存在下で9日間培養し、分裂増殖した細胞をPHA、抗CD3抗体、KTH-1、PPDで0、3、5分に刺激してチロシンリン酸化タンパクの解析を行った。45KDaおよび40KDa付近に健常人、患者共通のチロシンリン酸化タンパクのバンドを認めた。しかし、PHAによる刺激では34KDa付近にバンドを認めたが、抗原刺激ではみられなかった。また抗原刺激では健常人で52KDa付近にチロシンリン酸化タンパクのバンドを認めたが、BD患者では抗原刺激でもそのタンパクは認められなかった。 これらの結果より、抗原刺激に対して健常人と患者との間にT細胞内への情報伝達機構が異なることが示唆された。今後さらに細胞内のCaオシレーション、IL-2 gene転写タンパク等の細胞内シグナルを調べ、併せて病因との関連について検討していく予定である。
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