1994 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮におけるエリスロポエチン受容体の機能と内皮由来抗血栓形成性因子との関連
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06770501
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
加藤 健 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50214367)
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Keywords | エリスロポエチン / 血管内皮細胞 / トロンボモジュリン / 組織型プラスミノーゲンアクチベータ- / 組織型プラスミノーゲンアクチベータ-インヒビター |
Research Abstract |
【目的】血管内皮細胞に存在するエリスロポエチン受容体の機能と内皮由来抗血栓因子との関連を明らかにするために遺伝子組み替えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)投与による血管壁エリスロポエチンレセプター刺激時に血管内皮細胞より産生されるエンドセリン(ET)とトロンボモジュリン(TM)ならびに組織型プラスミノゲンアクチベータ-(t-PA)およびそのインヒビター(PAI-1)との関連を検討した。【材料と方法】正常ヒト臍帯血管内皮細胞上清中にrHuEPOを添加し、内皮細胞上清中のET-1、TM、t-PA、PAI-1および細胞表面のTMを測定した。さらにrHuEPOとともにadenylate cyclase(AC)活性化因子を添加し同様の検討を行った。【結果】レセプター刺激により上清中に放出されるET-1は、用量依存症に増加したが、TM、t-PA、PAI-1は変化しなかった。一方、内皮細胞表面のTMは用量依存症に増加しETの増加度と平行した。さらにAC活性化因子の併用で相加的にその放出が増加した。【結論】エリスロポエチンはETのみならず血管内皮表面のTM発現を促進したことより抗血栓形成性因子へも影響を及ぼすことが明らかになった。またその増加にはACを介する機序の存在が示唆された。
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