1994 Fiscal Year Annual Research Report
肥大心筋単離細胞における細胞内活性酸素消去機構についての検討
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06770512
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 祥博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60179801)
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Keywords | 肥大心 / 心不全 / 肥大退縮 / 活性酸素 / カプトプリル |
Research Abstract |
目的 細胞内活性酸素消去機構に携わる酵素活性は、虚血再環流、薬物、代謝異常等様々な病態において変化する事が知られており、圧負荷肥大心による心不全ラット心筋においてもSuperoxide dismutase.Gltathione peroxidaseの細胞内活性上昇と脂質過酸化物の低下が報告されている。 今回私は、実験的圧負荷肥大心をラット(Goldbllat)にて作成し8週間観察、その後ACE-antagonistの代表的薬剤であるCaptopril投与群、および対側腎摘出にて肥大心退縮をせしめた群、および無治療群(Goldbllat群)コントロール群の4群を作成し、その後6週間観察として実験に使用した。 細胞内活性酸素消去機構に携わると考えられる酵素(Superoxide dismutase,Glutathione peroxidase,Catalase)活性と脂質過酸化物を測定し、肥大心、肥大退縮過程における活性酸素消却機構の関与を検討した。 結果・考案 心体重比はCaptopril投与群において無治療群に比し、低下傾向を示したが、有意な差は見られなかったのに対して、片腎摘出群は無治療群に比し、有意な低下が認められた。またコントロール群との比較では無治療群が有意に上昇していた。心筋細胞脂質過酸化物及びSperoxide disumutaseは4群間において有意な差は認められなかった。Glutathione peroxidaseにおいてはコントロール群に比し無治療群及びCaptopril投与群において上昇傾向が見られたが、その他の群間において有意な差は認めなかった。Catalaseではコントロール群に比し他の3群において上昇していた。以上のことは肥大心、肥大退縮過程において細胞内活性酸素消却機構が何らかの役割を担っている物と推測された。
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