1994 Fiscal Year Annual Research Report
ファロ-四徴患児の自律神経活動に関する研究-無酸素発作をおこしやすい患児の特性について-
Project/Area Number |
06770544
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 誠一 新潟大学, 医学部附属族病院, 助手 (40242416)
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Keywords | RR間隔 / 周波数解析 / 自律神経活動 / フーリエ変換 / ゆらぎ / ファロ-四徴症 / 無酸素発作 / ホルタ心電図 |
Research Abstract |
ファロ-四徴症(TOF)の約30%には、特徴的なチアノ-ゼ発作(無酸素発作)が3カ月ないし3歳で生じ、死亡原因で無酸素発作のしめる割合は大きい。無酸素発作の予防・治療として、現在までβ遮断剤が用いられ有効性が確認されているが、作用機序はいまだ十分に解明されていない。本研究では、TOF患児における自律神経活動を、Holter心電図記録における心拍変動を検討することから評価し、無酸素発作をおこしやすい患児の特性を検討して、無酸素発作の機序の解明とその予防・治療の妥当性を検討することを目的とした。 まずTOF患児を年令別に1)6カ月未満、2)6カ月から1歳、3)1歳以上に分類し、さらに無酸素発作を認める群と無酸素発作を認めない群に分類した。正常対照群としては、年齢をマッチングさせた心臓に基礎疾患を認めない症例をあてた。但し、すべてβ遮断剤等は使用していない条件とした。Holter心電図の記録にはMarquette社製Holter記録計8500を使用し、RR間隔を同社製Holter解析器8000/Tにて1心拍毎に計測し、RR間隔解析プログラムにより周波数解析した。0.04〜0.15Hzの低周波数成分(LF)、0.15〜0.40Hzの高周波数(HF)、およびその比(L/H)について、24時間の平均値および1時間毎の日内変動を比較検討した。 各年齢群ごとで、とくに深夜から早朝にかけての無酸素発作のおこりやすい時間帯を比較したが、TOF患児における自律神経活動に明らかな特徴は認めなかった。次に、TOF患児の無酸素発作を認める群と認めない群で同様に比較したが、無酸素発作と明らかな関係は認めなかった。とくに正常対照群の症例数が少なく、有意差検定の検討はできなかった。今後さらに症例数を増やし、自律神経活動が無酸素発作にどのように関与しているかの検討を続ける予定である。
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