1994 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽細胞腫及び周辺疾患におけるアミノ酸代謝の研究
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06770567
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
岡田 泰助 高知医科大学, 医学部, 助手 (00253344)
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Keywords | シスタチオニン尿症 / アミノ酸分析 / HPLC / LC-APCI-MS / 神経芽細胞腫 |
Research Abstract |
我々は以前シスタチオニン尿症患者尿を用いて、シスタチオニンに関する新しい代謝産物を定量同定し報告した。更にD,L-propargylglycineを用いて、実験的シスタチオニン尿症ラットを作成し、その尿をアミノ酸分析、HPLC,LC-APCI-MS(liquid chromatography-mass spectrometry with an atmos pheric pressure ionization interface system)を用いて定量分析を行い、患者尿と同様、シスタチオニンの新しい代謝産物である、perhydro-1,4-thiazepine-3,5-dicarboxylic acid、N-acetylcys tathionine sulfoxide、cystathionine ketimineなどの含硫アミノ酸も存在していることが明らかとなった。一方、神経芽細胞腫の膿瘍組織をDiaion SK-1(H-form)のカラムにかけ、蒸留水で溶出しロータリーエバポレーターで減圧乾固させアミノ酸分析器を用いて定量分析を試みた。現在分析し得た組織ではシスタチオニンの有意な増加は認められていない。ただ、分析し得た症例はいずれも尿中シスタチオニン増加も明らかではなく、またいずれもステージ1と比較的予後の良いタイプである。進行した副腎原発の神経芽細胞腫では尿中シスタチオニンの増加が認められる場合が多いが最近はマススクリーニングで早期発見される場合が多く、このような進行癌の分析がされていない。今後さらに定量分析を行い、比較検討していく予定である。現時点では、膿瘍組織のアミノ酸分析は、予後因子となりうるか明らかではない。
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