1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770578
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
須知 万里子 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50254298)
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Keywords | 先天代謝異常症 / ヒスチダーゼ / ヒスチジン血症 |
Research Abstract |
1.ラットヒスチダーゼcDNA断片をプローブとして、ヒト肝cDNAライブラリー(Clontech,CLRL1001b)をゆるい条件でスクリーニングしヒトヒスチダーゼcDNAを得た。そのたんぱく翻訳領域は1,971bpからなり657個のアミノ酸を推定し、その推定分子量は72,651であった。ラットおよびマウスのヒスチダーゼとは推定アミノ酸レベルでそれぞれ同じく93%の相同性があった。 2.たんぱく翻訳領域をふくむcDNAをバキュロウイルスベクター(Invitrogen,pVL1392)にクローン化し昆虫細胞にヒトヒスチダーゼを発現させたところ、ポリアクリルアミド電気泳動で分子量およそ73,000のたんぱく質が総たんぱく質の50%に達する量で産生された。細胞破砕液上清にはヒスチダーゼ活性(生じるウロカニン酸を277nmにおける吸光度で測定する)が認められた。 3.ヒトヒスチダーゼcDNAをプローブとして2種のヒトゲノムライブラリー(EMBL3-SauAI cutおよびCharon 4A-EcoRI cut)をスクリーニングしたところ、合計25個の陽性クローンが得られた。各クローンの制限酵素地図を作製したらすべて同じ地図上にのっていたので、ヒスチダーゼ遺伝子はヒトゲノムの中に単一コピー存在すると考えられた。続いて各クローンの制限酵素切断断片のうちエクソンをふくむ断片をクローン化し、エクソン部位と、エクソン、イントロン境界部位の核酸塩基配列を決定した。その結果、ヒトヒスチダーゼ遺伝子は全長約25kbにわたり、21個のエクソンを有していることが判明した。第1エクソンは5'非翻訳領域のみをふくみ、たんぱく翻訳領域は第2エクソンから始まっていた。 4.今後はヒスチジン血症の児の白血球からゲノムDNAを抽出し、そのヒスチダーゼ遺伝子について変異の有無を調べていく予定である。
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