1994 Fiscal Year Annual Research Report
横紋筋肉腫における骨髄残存微小腫瘍細胞の分子生物学的検出法の確立
Project/Area Number |
06770592
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤田 宏夫 順天堂大学, 医学部, 助手 (00245763)
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Keywords | 横紋筋肉腫 / 骨髄移植 / 分子生物学 / MyoD遺伝子 |
Research Abstract |
我々は、ヒト横紋筋肉腫細胞の骨髄、末梢血または末梢血幹細胞採取液中の微量混入細胞の検出をMyoD遺伝子を用いて、自家骨髄移植への応用の可能性に関し検討した。 1)凍結保存された2症例のヒト横紋筋肉腫細胞よりmRNAを抽出し、myogenic regulatorygeneであるMyoD遺伝子をプローブとしてNorthern blotを行った結果、mRNAの検出が可能であった。また、正常ヒトリンパ球より抽出したmRNAとは反応しなかった。以上よりMyoD遺伝子の特異性が確認された。 2)正常骨髄細胞より抽出したmRNAとMyoD遺伝子との間でNorthern blotを行った結果バンドは検出されなかったが、PCR法で増幅後の同一検体ではMyoD遺伝子と反応するバンドが検出された。これは正常骨髄細胞採取により混入した骨髄中の線維芽細胞と反応した結果である可能性が示唆された。 3)以上より末梢血または末梢血幹細胞採取液中のヒト横紋筋肉腫細胞の混入をMyoD遺伝子を用いて検出し得る可能性は示唆されたが、ヒト横紋筋肉腫細胞の骨髄転移の有無や自家骨髄採取液中の混入細胞の有無を判定する目的に同方法を用いるには検出には用いたプライマーなど検出方法の再検討が必要と思われた。
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