1994 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性間質性腎炎における標的抗原についての研究
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06770609
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
綾 直文 近畿大学, 医学部, 講師 (00212580)
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Keywords | 尿細管基底膜 / 間質性腎炎 / モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
尿細管基底膜(TBM)に対する自己抗体によって発症する間質性腎炎の責任抗原の研究において以下のような結果を得た。(1)ウシTBMから抗尿細管基底膜型間質性腎炎の責任抗原物質(gp54)を精製した。アミノ酸組成とN末端sequenceから,この物質はnon-collagenousな性状をもつ新しい基底膜蛋白であると考えられた。(2)ウシgp54をモルモットに皮下注射し,抗TBM型間質性腎炎の惹起性を組織学的に確認した。(3)gp54に対するモノクロナール抗体(H79)を作成した。この抗体のWistarラットへのin vivo transferでは,この抗体は近位尿細管TBMに結合したが,腎炎惹起性はなかった。この抗体はblottingでポリクロナール抗gp54抗体と同一反応を示し,蛍光抗体法ではWistarラット,SDラットの近位尿細管TBMと反応したが,LewisラットのTBMとは反応しなかった。(4)ウサギ腎mRNAから合成された蛋白と抗gp54抗体とのimmunoprecipitationで,54kDと48kDの蛋白が抗原蛋白として明らかになり,gp54によるcompetition testで54kD,48kDとも減弱した。したがって,両者は別々のmRNAにcodeされ,かつ共通の抗原性をもつ物質と考えられた。
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Research Products
(1 results)