1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770658
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
廖 明清 琉球大学, 医学部, 助手 (40253968)
|
Keywords | 活性酸素 / 一重項酸素 / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
ポルフィリン症の発症機序は光によって励起されたポルフィン体が酸素と反応して活性酸素を作り、生成された活性酸素が細胞膜と反応して皮膚障害を引き起こすことが知られている。われわれはすでにポルフィリン体の光毒性反応は活性酸素によって生ずる過酸化脂質が関与することを確認し、さらに漢方製剤である大黄(Rhei Rhizoma)はこの過酸化脂質形成を抑制することを見出だした。今回われわれはヘマトポルフィリン溶液に光を照射しESRスピントランピング法を使っていかなる活性酸素種がこの光酸化反応に関与しているかを検討した。スーパーオキサイドやヒドロキシラジカルは検出されず、一重項酸素のみが検出された。一重項酸素の消去剤として知られている1,4-diazabicyco[2,2,2,] octane(DABCO)をヘマトポルフィリン マイクロゾーム溶液に加えて、光照射すると、過酸化脂質形成が抑制された。以上よりポルフィリン体の光毒性反応に一重項酸素は重要な役割を果たすことが推測される。また大黄をこの実験系に加えてみると、一重項酸素の生成が抑制され,両者の間にdose-dependent関係が見られた。ESRのグラフで,大黄は一重項酸素の消去剤のように一重項酸素の生成を抑制し,他の有機ラジカルを作った。大黄のIc_<50>(50%抑制濃度)は35μgであった。さらにわれわれはクロマトグラフィなどを使用して大黄を4分画に分けて,この実験系に加えた。大黄の第一分画が一重項酸素を最も抑制した。
|