1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770678
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大森 一範 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00256348)
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Keywords | 活性型好酸球 |
Research Abstract |
健常人の末梢血リンパ球をCONCANAVALIN Aで刺激し,自己血清中で培養し,遠心分離した上清液を皮内注射する試みについては現在検討中である.また局所皮内へのサイトカイン注射についても検討中である.なおMycosis fungoidesの患者1例について,IFN-γ(ビオガンマ)療法施行するにあたって,prick testを施行したが痒みは生じなかった.今後は臨床的にそう痒を伴う皮膚疾患について,組織ならびに血清のサイトカインの動態を検討していきたい.特に好酸球,mast cellとの関連を含めて検討する予定である. 1)血清や組織中で好酸球増多を伴う皮膚疾患については,そう痒を伴うものが多々ある.これらのなかでも,eosinophilic fasciitisやbullous pemphigoidなどでは,活性型好酸球の湿潤が優位にみられるとの報告もあり,そう痒との関連も示唆される.そこでこうした疾患を対象に,まずは組織並びに血清中の活性型好酸球の指標となるEG-2陽性細胞の動態等について検討したい. 2)Mast cellは痒みのmediatorとしてのヒスタミンその他の物質のreleaseに関与する細胞であり,痒みについて考えるうえで必須である.そこでヒトmast cellから脱顆粒を起させるサイトカインについても,fibroblast由来の因子も含めて検討したい.具体的にはmastocytosis等を例にとりたい. 3)Mast cell自体がT細胞と同様に約10種類のサイトカインを産生していることが最近わかってきている.ただ如何なるサイトカインが産生されているか,具体的な疾患についての詳細な報告はなく,今後の検討課題としたい.これらサイトカインが好酸球浸潤に関与すると考えられているが,サイトカインによる好酸球の脱顆粒調節についても,併せて検討していきたい.
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