1994 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸性移動臓器への放射線治療に於ける臓器運動の統計解析と動体予測に関する研究
Project/Area Number |
06770696
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牟田 信春 東京大学, 医学部(病), 助手 (90229930)
|
Keywords | 呼吸性臓器移動 / 放射線治療 / 3次元治療計画 |
Research Abstract |
肺、腎、肝を始めとした呼吸運動に沿って体内で可動する臓器に関して注目すべき必要が有るが、まずこの研究行程として、"(1)臓器移動のデータ収集。(2)運動のパターン化。(3)動態予測のシミュレーション機能。(4)3次元治療計画機にリンク。(5)3次元照射技法を選考。(6)制御回路の付加。"を考案、今年度は(3)項目までに重きを置くことを考えてきた。 呼吸運動のデータの収集に於いては、呼気、吸気のおのおの呼吸停止状態で超高速CTのスパイラル・スキャンを利用。患者を基本対象に収集した為、年令層が40台以降に偏った。若年層の収集は今後も継続する。肺機能に障害を持たない通常の生理機能を有する対象の肺内の肺臓任意点の平均可動距離はZ方向で15mm。最大でも20mmを越えることは、現在の集計では無いことが解っている。しかしながら、肺の変形や容量変化で生じる他臓器の移動では30mm以上の移動の頻度が高い。この場合、臓器の変形は伴わないので単にZ方向の直線移動を考えればよい事になり、それほど、今後の動態予測で支障になる事は無い。 収集したデータを、3次元画像処理計画機に転送し3次元座標を有する立体モデルとして再構成する。Z方向の移動に伴い、X-Y方向の移動が、Z移動の30%の範囲で負荷するだろうことが解った。しかし、この系列の場合、左右肺臓では心臓の拍出振動が加わり、肺臓の解剖構造だけをシミュレートするだけでは標準化は不可能であった。心拍振動の生理運動の情報付加の今後検討が必要だ。 臓器の輪郭のモデリングはすでに可能とした、空間データをスーパーインポーズする事によって経時的4D動態表示も可能である。パターン化した動態モデルはに、体系、生理機能などのパラメータ指定によって、パーソナルな動態モデルを適合させる予測機能を付加する作業が現時点で残っている。前述研究行程の(1)(2)を完了した。
|