1994 Fiscal Year Annual Research Report
3検出器型SPECTと^<99m>Tc-テクネガスを用いた間質性肺疾患局所肺機能の検討
Project/Area Number |
06770715
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 義明 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (00244715)
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Keywords | テクネガス / 間質性肺疾患 / SPECT / 換気血流 |
Research Abstract |
テクネガス吸入および99mTc-MAA静注後SPECT撮像により得られた肺の横断像から肺尖部と横隔膜を含む部位を除き厚さ約35mmの4枚のスライスを作成し頭側よりslice 1、2、3、4とした。次に各スライスで前部と後部に任意の関心領域(ROI)を設定し、そのROI内の1voxelあたりのカウント数を肺内の総カウント数で除した値をその部分のTおよびQとした。健常者および間質性肺疾患患者に対して座位の状態での肺前後のT/Qを求め検討した。まず健常者でのT/Qは、左右ともほぼ同様な傾向で、上肺野で高く下肺野に向かって低値となっていた。上肺野では肺前後の値はほぼ同じであったが、下肺野では後部の値が前部より有意に低くなっていた。一方、間質性肺疾患群では1:80≦%VC、2:65≦%VC<80、3:%VC<65の3群に分類し検討を行った。T/QはI:健常群で見られたようなslice 1から4にむかって低値となる、II:どの部位でも1前後の値となる、III:slice3よりもslice4が高値となる、IV:slice2から3、4にむかって高値となるの4型に分類した。1群はI型が大部分であり、2群ではII型が多くみられた。3群になるとIII・IV型の占める割合が多かった。またslice1でのT/Q値は1群では全例1以上であったが、3群では50%が1未満となり一方slice4では1群は全例1未満であったのが3群では65%で1以上に増加していた。以上より間質性肺疾患群では軽度障害例では健常例とT/Q値にあまり差はみられないが、中等度障害では上下肺野の差がなくなり1に近づき均等化し、高度になると下肺野での値のほうが高値となる傾向にあることが判明した。今回対象とした症例ではTはほぼ局所の換気を表すと考えて差し支えなくT/Qは換気・血流比に相当すると考えられ、本研究で間質性肺疾患の最も生理的状態である座位での局所肺機能を3次元的に重症度別に明らかにすることができた。
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