1994 Fiscal Year Annual Research Report
DNA鎖切断およびマイクロヌクレウス分析による低酸素細胞増感剤の作用機序の解明
Project/Area Number |
06770737
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中西 佳子 関西医科大学, 医学部, 助手 (60217784)
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Keywords | 放射線照射 / 腫瘍細胞 / DNA損傷 / 放射線増感剤 |
Research Abstract |
この新たに開発されたAK-2123とBSOを併用することで放射線の殺細胞効果の増大することを培養細胞でDNAの2重鎖切断の損傷を指標としたハイドロキシアパタイト法で検討した。細胞はChinese Hamsterの線維細胞由来のV-79-379A細胞を用いた。低酸素状態の作製:パイレックスガラス、ステンレスで作製したChamber中に培養皿を置き、アルゴンガスを流入することで培養液中の酸素を脱気し、酸素分圧3ppm以下の低酸素状態をつくり、その中で照射を行った。細胞は2.89Gy/minの線量率で30Gy照射した。DNA損傷の評価はHydroxyアパタイト法で行い、増感比(Sensitizer Enhancement Ratio)を求めた。BSO非処理群はSERは1.0から2.26とAKの線量依存的に増加する。そして3mMのAK濃度でプラトーに達し,その増感比は約2.20である。BSO処理群ではSERは1.39から2.26で線量依存的に増加する。しかし,SERの最大値は10mMのAK濃度で2.26であるが30mMの高濃度ではBSO処理BSOの処理の有無に関わらずSERの増大は認めなかった。このことはBSO処理群ではSERは0.3mMと比較的低能度のAKにおいて2.16と最大の増感比を得る事ができる。BSO処理で種しゅのAK濃度で比較すると平均1.33倍である。BSO処理のないときには0.001mMから0.1mMのAKの濃度の範囲においては対称的にAK濃度が0.3mMから30mMまでBSO処理でSERは平均1.05倍であった。それ故AKとBSO併用による放射線増感剤の増感比は明らかに低濃度(0.1mM以下)において著名な増感を認めた。
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