1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770779
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松永 直樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50229506)
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Keywords | 高照度光 / 眠気 / メラトニン |
Research Abstract |
健康成人男子2名を対象に、実験計画について説明し承諾を得た上で、夜間午後11時から午前2時まで、3,000lxの高照度光を照射し、それが夜間の眠気、疲労度、精神作業能力およびその後の睡眠内容に及ぼす影響について照度500lxの条件下と比較検討を行なった。また、それと同時に血中メラトニン濃度、遊離トリプトファン濃度、コルチゾール濃度さらに直腸温の測定も行い、それと眠気などとの関係についても検討を加えた。 1.主観的眠気の変化:高照度光照射により、SSSによる主観的眠気の対午後10時比は、午前2時で減少の傾向を認めた。これは、血中メラトニン濃度が有意に低下して基準夜との濃度差が最大となった時刻に一致した。 2.客観的眠気の変化:高照度光照射終了2時間後の午前4時で照射夜のMSLT測定値は、有意な増加を示し、客観的眠気の減少を認めた。高照度光を照射していない時間帯を間にはさんで客観的眠気の減少が生じていることは興味深い。また、主観的眠気の減少傾向を認めた時刻と客観的眠気を認めた時刻に解離があることから、それぞれの眠気の減少をもたらした機構が異なる可能性があると考えられた。 3.精神作業能力の変化:Pouli testにおいて3時間の高照度光照射終了時の午前2時では正答数は基準夜に比し有意に高い水準に維持されており、主観的眠気の項で述べたのと同様の要因が精神作業能力の改善に関与しているものと考えられた。 4.睡眠内容の変化:高照度光照射後の4時間の睡眠ではレム睡眠が有意に増加した。高照度光のaftereffectが、睡眠時間の間続いておりそれによってレム睡眠の有意な増加がもたらされた可能性があると考えられた。ただし、高照度光のaftereffectの生じる機序については今後の検討を要すると考えられた。
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