1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770802
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
太田 一保 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30213721)
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Keywords | 甲状腺腫瘍 / DNA / cloning |
Research Abstract |
C140に対応するmRNAの発現を、手術時に得られたヒト各種甲状腺組織(正常甲状腺5例 甲状腺乳頭癌 6例 甲状腺腺腫4例 Graves'disease甲状腺組織 1例)を用いてさらに検討を加えた。これによるとヒト甲状腺組織において、C140に対応するmRNAの発現は甲状腺癌で最も多く、正常甲状腺における発現に比して有為の増加を認めた。加えて甲状腺腺腫においても、その発現は正常甲状腺に比して有為の増加を認めた。また、腺腫に比して甲状腺癌においてより強く発現する傾向を示した。これに対してコントロールとして用いたβ-actin mRNAの発現は各種甲状腺組織間において差異を示さなかった。これらの事実は、C140に対応するmRNAの発現量が甲状腺細胞の分化度の差異におけるmarkerと成りうる可能性を示すものと考えられた。しかし、一方で症例数は少ないものの、C140に対応するmRNAの発現が、Graves'diseaseの甲状腺組織においても増加を認めており、C140は甲状腺組織の増殖に関連する遺伝子である可能性も考えられた。 C140に対応するmRNAの発現増加については、甲状腺腫瘍に特異的に起こる現象か否かを確かめる目的で、甲状腺以外の組織における発現についても、C140 cDNAをprobeとして用いNorthern blot analysisによって確かめる予定である。 また、ヒト甲状腺cDNA libraryよりcloningしたhuman C140については、得られているcDNAが3'端を欠いているために、現在新たにhuman C140をprobeとしてヒト甲状腺libraryをscreeningしており、ヒト甲状腺におけるC140 cDNA全長を明らかにし、得られたcDNAを発現vectorに組み込みC140蛋白を発現させる予定である。
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Research Products
(1 results)