1994 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン依存型糖尿病におけるhsp65およびGADの意義
Project/Area Number |
06770814
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小沢 ゆか子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50224225)
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / GAD65抗体 / hsp65抗体 |
Research Abstract |
1.インスリン依存型糖尿病(IDDM)におけるhsp65抗体検出について NODマウス由来膵β細胞株MIN6N9aのmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、PCR法によってhsp65のcDNAを得た。このcDNAを用いて大腸菌内でmaltose binding protein(MBP:40kDa)とのfusion protein(100kDa)としてhsp65を合成した。IDDM患者7名、slowly progressive IDDM(SPIDDM)4名において、Western blott法によりfusion proteinに対する抗体の検討を行い、IDDM7例全例およびSPIDDM3名で抗体陽性であった。(1994年糖尿病37 supplement p458)これらの血清はMBP抗体陰性であったが、陽性の場合判定不能になるため、hspの完全な純化が必要と考えた。IDDM血清におけるhsp抗体検出の場合、native proteinに対する免疫沈降法によりdenatured proteinを用いたWestern blott法の方が優れているため、SDS-PAGEを用いたelectroelution法で純化を試み,成功した(未発表)。現在このhspを用いELISA法によって抗体の定量化をすすめている。 2.IDDMにおけるGAD65抗体検出について ヒトGAD65遺伝子(GAD2)をfusionしたplasmidよりin vitro transcription/translation systemを用い、^<35>Sにてラベルしたrecombinant proteinを作成。これを用いてGAD抗体の測定を行った。症例:外来通院中の患者206名(発症5年未満のIDDM55名,発症から5年を越えるIDDM42例,slowly progressive typeが47名,NIDDM62名,健常者56名)。結果:発症5年未満のIDDMでは,55例中29例53%が陽性,5年を越えるものでは,42例中10例24%と有意に陽性率は低下した。slowly progressive typeでは,48例中23例48%とIDDMと同程度の陽性率を示した。NIDDMでは,7例中62例11%に陽性を認め,また健常者56例中に1例1.8%の陽性者を認めた。また,paired T testではIDDM,slowly progressive typeともに GAD65抗体価は,時間経過とともに有意に減少した。HLA classIIとの関連では,DRBI^*08・DQB1^*0302で高く,DQA1^*01で低かった。また、slowly progressive typeでも同様の傾向を認めた。(1994年糖尿病37supplement p457)
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