1994 Fiscal Year Annual Research Report
抗TSH受容体抗体の生物活性と受容体の構造解析に関する研究
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06770815
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡邊 文絵 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50230991)
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Keywords | 甲状腺機能亢進症 / 甲状腺機能低下症 / 自己免疫性甲状腺疾患 / TSH受容体 / 抗TSH受容体抗体 |
Research Abstract |
TSH受容体発現CHO細胞を用いた抗TSH受容体抗体活性を測定系を確立し、受容体抗体の作用機序を検討した。 1)TSH受容体cDNAを発現ベクター(pMAM)に組み込み、CHO-K_1細胞に発現させた(CHO-TSHR)。 2)CHO細胞にTSH受容体分子(分子量108kDa、Ka=0.9×10^<10>/M)発現を認めた。 3)自己免疫性甲状腺疾患患者(バセドウ病15例、特発性粘液水腫5例)血中受容体抗体のCHO-TSHRに対する結合活性(TRB)、TSH結合阻害活性(TBI)、cAMP産生刺激活性(TACS)及び抑制活性(TACI)を測定した。 4)バセドウ病、特発性粘液水腫15例全例にTRBを認め、バセドウ病14例にTBI、15例にTACS、特発性粘液水腫5例にTACIを認めた。 5)バセドウ病のTACSはTRB(r=0.86)及びTBI(r=0.72)と各々正の相関を示した。また特発性粘液水腫のTACIはTRB(r=0.93)及びTBI(r=0.89)と各々正の相関を示した。 6)N型糖鎖及びS-S結合変異受容体に対するTSH及び抗TSH受容体抗体のTRB、TBI及びTACSを測定した。 7)抑制型抗体は糖鎖変異受容体(Asn^<99>)との結合活性が低下し、刺激型抗体は糖鎖変異受容体(Asn^<113>)との結合能が低下した。TSH及び刺激型抗体のS-S結合変異受容体への刺激作用が低下した。
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