1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06770977
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
牧野 達郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40254205)
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Keywords | 担癌 / 肝細胞 / 形態学 / グルコーストランスポーター |
Research Abstract |
癌悪液質状態における代謝異常には、アルブミンをはじめとする蛋白合成能の低下、糖新生の亢進、脂質新生の低下、肝カタラーゼ活性の低下等が報告されている。我々はこれまでに、これらの代謝系の変化の機構を、分子生物学レベルにて検討し報告した。今回、F344ラットにMCA sarcoma cellを移植し、担癌ラットを作製し、担癌時の肝細胞の形態学的変化を、電子顕微鏡レベルまで掘り下げ検討した。担癌群とコントロール群との間には、肝細胞・核の大きさ、ミトコンドリア数、ライソゾーム数に関しては有意差は認められなかった。しかし、担癌群では、著明なグリコーゲン量の減少、ミトコンドリアの拡大、粗面小胞体の減少、ペルオキシゾーム数の減少を認め、これらの変化が、癌悪液質状態での肝におけるグリコーゲン分解の亢進、ATPの欠乏、蛋白合成能の低下、肝カタラーゼ活性の低下等の生化学的代謝異常を形態学的に裏付けるものと考え報告した(Int.J.Exp.Path.1994,75,433-440)。 グルコースは細胞の主要なエネルギー源であり、特に担癌時には必須である。このATPを供給するためグルコースを細胞内に輸送するのに必要な、グルコーストランスポーターの発現量を検討することは非常に重要である。今回担癌ラット肝細胞を用いて、グルコーストランスポーター1、2及び糖代謝の重要な酵素であるG6Pase、ヘキソキナーゼの局在を免疫染色法にて検討している。
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Research Products
(1 results)