1994 Fiscal Year Annual Research Report
抗接着分子抗体を用いたマウス心移植における免疫学的寛容の維持機序の解析
Project/Area Number |
06771041
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐藤 健志 順天堂大学, 医学部, 助手 (20231342)
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Keywords | 心移植 / トレランス / anergy |
Research Abstract |
BALB/cマウスをdonor,C3H/Heをrecipientとして,腹腔内異所性心移植を行い,移植後,6日間,抗LFA-1抗体(KBA),抗ICAM-1抗体(KAT-1)を各50μg併用投与しトレランスを誘導した。 1)混合リンパ球培養(MLR)を,未移植群(以下N:Naive),トレランス群(T:Tolerant),拒絶群(R:Rejected)を反応細胞,BALB/cマウスの脾細胞を刺激細胞として,^3Hの取り込みを比較した。各群で取り込みは著明に増加しているが,R群で特に増加し,N群,T群では差がなかった。また,rIL-2の添加を行っても有意な変化がなかった。移植,30,60,100日後に行ったがいずれも同様な傾向であった。 2)MLR上清中のサイトカインの定量を行ったが,IL-2はN群>T群>R群,IFN-γはR群>N群>T群,IL-10はT群>R群>N群の順で濃度が高かった。 3)移植心を摘出,RNAを抽出し,IL-2の発現を検討したが,T群,R群ともにはっきりとした発現を得られなかった。 このトレランスの維持機序として,clonal deletionよりも,anergyの関与が示唆されるが,今回の実験ではその確証は得られず,今後の検討を必要とする。
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