1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771049
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小原 徹也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00256611)
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Keywords | 肺移植 / 拒絶反応 / 胸腔鏡 |
Research Abstract |
肺移植術急性期の拒絶反応の診断に対して胸腔鏡下に経時的に組織を採取しその有用性について検討した。 方法:雑種成犬10頭を用いて5回の同種左肺移植実験を行い、免疫抑制剤FK506(0.1mg/kg/日)投与群と非投与群に分けた。 1)術前、術後1、2、3、5、7日目の移植肺ならびに健常肺の気管支肺胞洗浄液(BALF)採取し、液性成分中のIL-2、可溶性IL-2受容体、IL-6、TNF-α、INF-γについてELISA法で測定した。 2)胸腔鏡下肺生検により術後2、3、5、7日目の肺組織を採取しH-E染色に加え拒絶反応の指標としてICAM-1、LFA-1、VCAM-1、MHC-IIのモノクローナル抗体による免疫組織染色を行い、その発現形態について検討した。 結果:1)非免疫抑制群では術後2日目より7日目までにIL-2、可溶性IL-2受容体、IL-6、TNF-α、INF-γの全てにおいて移植肺では増加したのに対して健常肺では変化が認められなかった。また免疫抑制群では移植肺、健常肺ともに増加しなかった。 2)組織学的に非免疫抑制群では術後3日目から血管内皮細胞および間質にICAM-1が発現し周辺にLFA-1陽性リンパ球の集籏を認めた。また術後5日目からVCAM-1およびMHC-IIが発現した。経気管支肺生検(TBLB)に比較して確実に血管を含めた周囲組織の採取が可能であった。
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