1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771129
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中小路 拓 信州大学, 医学部, 助手 (20237241)
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Keywords | 実験的側弯 / 脊柱変形 / 脊柱可撓性 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.側弯症ラットの作成:生後4週令のウイスター系ラット雌に以下の処置を行った.(1)胸腰椎移行部の3椎体にわたって傍脊柱筋の剥離のみをおこなった(コントロール:C群).(2)銀電極をラット第6助骨と第12助骨高位の皮下筋膜上に逢着した後,2週間毎日電気刺激を行った(電気刺激:ES群).(3)右第11,12助骨を切除した(助骨切除:RS群).(4)脊柱司撓性を低下させるためにラット腰椎の棘突起を0.8mm,K鋼線で固定した.但し棘突起とワイヤーの結合はルーズで腰椎の成長を妨げない(鋼線固定:WF群).(5)右第11,12助骨を切除すると同時に,(4)の方法で腰椎の棘突起を鋼線で固定した(WF+RS群).(1)(2)については5匹ずつ,(3)(4)(5)は10匹ずつ作成し,全麻下に頭と尾を軽く牽引した状態で全脊柱正面X線写真を撮影した.ES群は刺激開始1Wで平均14.5度,2Wで16度の側弯が生じたが,刺激終了1W後は側弯はすべて消失した.電気刺激では構築性の側弯は作成できない事がわかった.RS群,WF群,WF+RS群は手術後1W,2W,5W,8Wで撮影した.2W時には3群とも側弯が発生したが角度はCobb法でそれぞれ5.4±3.1度,13±7.7度,20±9度で,RS群とWF+RS群,WF群とWF+RS群の間には有意差が認められた.腰椎を固定することによって司撓性が低下した場合に胸椎に側弯が発生すること,そして助骨切除で作製された側弯が腰椎固定によって進行することが確認された.2.免疫組織化学:全身麻酔化に灌流固定して脊柱を摘出,抗Brdu,抗PCNA,抗desmin,抗actin,抗myosin,抗GFAP,抗S-100蛋白抗体を用いて免疫組織学的検討を行なった.結果:側弯発生部傍脊柱筋のdesmin,actin,myosin染色性については凸側,凹側で差は認められなかった.椎間板の軟骨細胞は側弯発生部でPCNA陽性であったが,S-100,Brduについては側弯発生部と非発生部で差は認められなかった.側弯発生部位では軟骨細胞の増殖が盛んになっていることが示唆された.
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