1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771130
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 千登勢 信州大学, 医療技術短期大学部, 助手 (90252113)
|
Keywords | 視覚的フィードバック療法 / 横隔膜呼吸 / 換気効率 |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究では健常人において胸式呼吸と横隔膜呼吸の呼吸パターンの違いについて比較を行った.換気量,呼吸運動による酸素消費量の面で横隔膜を主動作筋とする横隔膜呼吸の方が効率のよい呼吸法であるという結果が得られた.今回は横隔膜呼吸を学習するために呼吸筋のフィードバックを用い,呼吸筋の筋活動様式の変化を観察した.実験は次の2点について検討された. 1)健常人において安静時の呼吸筋の筋活動を表面筋電図にて記録し,目的とする筋が正しく導入され,かつ再現性がある位置を決める. 2)呼吸筋の筋電図上に観察される心電図の影響及び深層に存在する横隔膜の筋活動が導出できるかを検討する. 健常な男女11名(19〜23歳)を対象として,筋電図,呼吸曲線を測定した.その結果,横隔膜の筋電図は季助部において再現性があった.吸気における横隔膜の純粋な筋電図を採ることが困難であり,腹斜筋をはじめ,腹部の筋の収縮による影響を除くことが困難であった.このことから,視覚的フィードバックの方法として,呼吸筋による方法ではなく,腹部・胸部の拡張や,換気量の変化等を指標とることにより横隔膜呼吸の学習がより効果的と考えられた.また,横隔膜呼吸の指導は,COPDの患者のみではなく,開胸・上腹部の開腹手術を受ける患者に対して,術前の肺理学療法の一環として行われている.この様な症例にも従来より行われている理学療法と視覚的フィードバックを用いた新しい呼吸訓練法について比較検討して行きたい.
|