1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771156
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鳥越 俊旨 北里大学, 医学部, 助手 (40217592)
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Keywords | PMMA骨セメント / セメント強度 / 気泡率 / セメントガン |
Research Abstract |
(目的)骨セメントを液状保存することで気泡の混入,バリウム粒子の偏在による強度低下を防ぐのみならず、感染の危険性、モノマー吸引による人体影響等を避けることができる。我々は、液状保存可能なPMMA骨セメントとその練和方法を開発するために以下の実験を行った. (方法)1.骨セメントの作成.PMMA対MMAの重量比が110:80の混合物を撹拌し、溶解液に過酸化ベンゾールを加えたものをA液、N.Nジメチル-Pトルイジンを加えたものをB液とする.A,B両液を減圧脱泡し保存した.2.粘度測定.A液に過酸化ベンゾールを1、2、3%混入し3ヵ月間室温、冷蔵、冷凍保存した.定期的に粘度を測定した. 3.気泡率の測定.ASTM規格に従って円柱状試験片を作成し、それぞれの密度から気泡率を算出した.試験片の割断面をSEM観察し、孔の形状、大きさ、個数を測定した. (結果)1.3ヵ月間の冷蔵保存後の1,2,3%過酸化ベンゾール添加液における粘度上昇はそれぞれ1.3,1.5,4.3倍であった.過酸化ベンゾールが2%以下であれば粘度上昇は無視できた.2.Simplex-P骨セメントは球状のPMMAビーズのすき間に硫酸バリウムは高濃度に存在した。一方、液状保存した骨セメントでは一様な硫酸バリウムの分散が確認できた。また、Simplex-P骨セメント中には直径0.5mmから0.1mm程度の孔が多く認められたが、液状保存骨セメントには気泡はほとんど存在しなかった。 (ポイント)骨セメントを液状で保存することによって撹拌操作性と安全性を向上させ,また,気泡の混入を避け,良質のセメントを得ることができた.また,専用のセメントガンを使用することで操作性の改善が見込まれる. (今後の方針)1.各種の強度試験を行いセメント強度の改善を計る.2.現在,液状保存するにはモノマー比率の増加が避けられないが,生態影響を考慮し,改良を計る.
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Research Products
(1 results)