1994 Fiscal Year Annual Research Report
骨端線離解後の早期治癒過程の観察、特に固定法による治癒形式の差異について
Project/Area Number |
06771158
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩部 昌平 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (30223415)
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Keywords | 骨端離開 / 治癒過程 / 一次癒合 |
Research Abstract |
[目的]従来の骨端離開の研究は固定が強固でない状態で治癒過程を観察したものであった。今回我々は離開部を強固に固定し、その治癒過程を観察した。 [方法]生後6週から7週の日本白色家兎の雌の脛骨近位端に骨端離開を作製し、stainless pinと歯科用レジンで強固に創外固定した。離開部に圧迫を加えるA群(21羽)と圧迫を加えないB群(21羽)を作製し、固定後12時間から7日で3羽ずつ屠殺しX線学的・病理学的に検討した。 [結果]作製された離開様式はSalter-HarrisI型またはII型であった。病理標本による観察では、A群B群とも離開の間隙は肥大層から石灰化層にかけてのフィブリン様物質の充満した線として観察できた。時間の経過と共に離開部は成長軟骨帯より一次骨梁に移動し、骨形成が離開部を越えて進行し骨梁が連続している像が観察された。A群B群とも36時間後には部分的癒合がみられ、3日後にはほぼ全体が癒合していた。元の離開部は骨幹端の骨梁の密な部分として痕跡様にみられた。部分的には成長軟骨帯が広がっている像、骨梁内に成長軟骨が島状に存在する像がみられたが、3日後には成長軟骨帯はほぼ正常な解剖学的構造を取り戻していた。 [考察]従来までの離開部を強固に固定しない実験では成長軟骨の解剖学的構造が正常に戻るまでにratで約1〜3週、兎で約1〜4週を要しているが、離開部を強固に固定することで遅いものでも3日で癒合した。Salter-HarrisI型またはII型の骨端離開では成長軟骨帯活動は離開によって停止することなく営まれ、強固な固定により離開部は非常に早期に修復されることがわかった。
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Research Products
(1 results)