1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771161
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
富田 祐司 順天堂大学, 医学部, 助手 (30255690)
|
Keywords | 膝半月板 / 遊離滑膜移植 / 血行 / 組織標本 |
Research Abstract |
遊離滑膜移植を用いた半月損傷の修復過程と血行の関係について 血行領域の半月損傷に遊離滑膜移植を施行し、その修復過程における経時的組織学的所見と血行の関係について検討した。 雑種成犬(8-15kg)を用い、内側半月中節辺縁3分の1に約5mmの縦断裂をつくり、この部分に遊離滑膜を移植し6-0ナイロン糸にて縫合した。術後0、2、3、4、6、8、12週後に(各々3頭)微小血管造影を行った。また内側半月を摘出し、肉眼的および組織学的所見を検討した。微小血管造影では、2週では術直後と同じ血行状態であった。3週では移植部までの血管の増生が認められた。4〜12週でも術直後と比べ血管の増生が認められた。組織学的所見では、4週の移植部では不規則で多数の線維芽細胞からなる肉芽様組織を認めた。6〜12週では線維芽細胞は一定の走行に配列するようになり、膠原線維の増加を認めた。移植部までの血行の増生は3週後より始まり、12週においても豊富な血行が認められた。つまり血行増生の開始は線維芽細胞から膠原線維に移行する時期と考えられた。遊離滑膜移植を用いた半月修復では、組織学的に線維芽細胞から膠原線維様組織に至る時期に豊富な血液供給を要するものと考えられた。 また今後は、骨や軟骨の成長促進因子である線維芽細胞成長因子(Fibro blast Growth Factor)が半月修復にどのような影響をおよぼすかを研究する予定である。
|