1994 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞レベルでの不均等換気に及ぼす各種人工呼吸法の比較(実験的肺水腫、continuous-distribution法による解析)
Project/Area Number |
06771182
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小田 真也 山形大学, 医学部, 助手 (80250926)
|
Keywords | 多呼吸N_2洗い出し曲線 / 換気-血流比 / 人工呼吸法 / 肺胞換気率分布曲線 / PEEP10 / 肺水腫 |
Research Abstract |
近年、多呼吸N_2洗い出し曲線の数学的な解析から、種々の換気率をもった肺胞換気量の全肺胞換気量に対する割合を分布曲線として描くことが可能になり、肺胞換気率の不均等性をパターンとして認識することが容易になった。血液の酸素化効率の面からは、換気-血流比がより重要であるという認識に異論はないが、低酸素性肺血管収縮により血流の再配分が生じることを考え合わせると、肺胞換気率の変化は二次的に換気-血流比を変化させると考えてよい。現在我々が用いている人工呼吸法は一義的には肺胞換気のみに関与するものであり、これは人工的に操作が可能なものである。本研究ではこの人工的に操作可能部分(人工呼吸法)の変化が肺胞換気率分布曲線に及ぼす影響を比較検討するものである。現在まで次の実験を行った。 1)対照群:正常犬を用い、換気量を15・20・25ml/kg、換気回数12回に設定し、間欠的腸圧呼吸又は持続陽圧呼吸(PEEP10cmH_2O)を行った場合。 2)実験群:オレイン酸静注により実験的に肺水腫を作成し、換気量・換気回数・換気方法は1)と同様にした場合。 3)1)・2)で得られたN_2洗い出し曲線を解析し、肺胞換気率分布曲線を描く。現在までのデータの解析から、次の様な傾向が認められた。 1)全体として、換気率0.1前後と0.9前後に峰をもつ二峰性の曲線になる。 2)換気量の増加は換気率の大きい方へ峰を動かし、その変化は低換気率の部分により著明である。 3)対照群ではPEEPの負荷は峰のばらつきを少なくする。しかし実験群では逆にばらつきが大きくなるようである。 今後、更に詳細なデータの解析を行うとともに、換気率分布曲線に及ぼす心拍出量の影響について:検討する予定である。
|