1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771186
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒井 賢一 群馬大学, 医学部・集中治療部, 助手 (00222711)
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Keywords | 腫瘍壊死因子(TNF) / 腎 / 灌流モデル / 白血球 |
Research Abstract |
TNFの産生を腎臓の灌流モデルを用いて実際に産生されているか否かを検討した。 1 研究方法 (1)ラット腎臓の灌流モデルの作成 麻酔下で開腹し腎臓を遊離し上腸間膜動脈経由で腎動脈へ22Gのテフロン針を、また尿管には24Gのテフロン針を挿入した後摘出し、95%酸素5%二酸化炭素混合ガスでバブリングしたクレブス-ヘンゼライト液をミニポンプで腎臓を灌流する。また、白血球と腎の相互作用を調べるために別のラットより10ml採血して比重遠心分離法にて白血球を分離しておく。 (2)TNF産生実験 この腎灌流モデルの灌流液にLPSをいれて1.5時間灌流しそのときのTNF産生量を調べる。また、この灌流液にLPSと白血球を加えた場合のTNF産生量の違いを調べた。 2 研究結果 TNF産生量は腎1gあたりの産生量とした。 この灌流実験では腎だけでも白血球だけでもLPS刺激により灌流液に検出されるTNF量は僅かであった。しかし、白血球を添加した灌流液にLPSをいれた場合は30.7units/gと他の時に比較して有意にTNF産生量が増加した(P<0.001)。 3考察および結論 LPSによるTNF産生は白血球だけでも僅少でありその両者が相互に作用することによりTNF産生量が飛躍的に増加することが示された。近年、敗血症の増悪に活性化された白血球の関与が言及されているが、このことからも証明されると考えられた。
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