1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771240
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高野 次郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60246402)
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Keywords | 呼吸不全 / 肺血管内皮細胞 / 第8因子関連抗原 / アンギオテンシン変換酵素 / サイトカイン / インターロイキン |
Research Abstract |
ウイスターラットに、感染過程で肺血管を傷害する寄生虫(Nipostrongilus Braziliensis幼虫8000隻)を経皮感染させ、ラット呼吸不全モデルを作製し、感染前、感染一日、二日、三日後に眼窩静脈より採血し、血中アンギオテンシン変換酵素(ACE),第8因子関連抗原濃度(VWF)を測定し、感染三日後に肺を摘出し肺病理標本を作製した。さらに化学物質(PMA、エンドトキシン)の経口的気管内投与によってラット呼吸不全モデルを作製し、自発呼吸下に飼育した。化学物質(PMA、エンドトキシン)投与前、投与一日、二日、三日後に眼窩静脈より採血を行い、肺血管内皮細胞よりの逸脱物質(血管内サイトカイン、インターロイキン)を、測定キットを用いて定量し、経時的にデータを検討した。寄生虫感染後、血中ACE活性は一旦減少したが感染三日後上昇したが有意ではなかった。VWFは寄生虫感染三日後、有意に上昇した。また肺病理組織標本では、肺の小血管の破綻と、内皮細胞の変性、膨化、血管周囲間質の浮腫、炎症細胞の浸潤が認められた。化学物質投与による呼吸不全モデルでは、ほとんどのラットが化学物質投与直後死亡してしまい、静脈血採取することができなかった。また、生存例のラットでサイトカイン、インターロイキン等、肺血管内皮細胞よりの逸脱物質は、呼吸不全前後で有意な変化は認められなかった。以上の実験結果より、血中第8因子関連抗原濃度(VWF)は、肺血管内皮細胞傷害の指標となりうる事が示唆された。
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Research Products
(1 results)