1994 Fiscal Year Annual Research Report
雄日本猿の仙骨内臓神経より支配されるEmission機能の神経解剖的研究
Project/Area Number |
06771279
|
Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
寺田 勝彦 大分医科大学, 医学部, 助手 (10236995)
|
Keywords | Seminal emission / 雄日本猿 / 免疫組織化学 / 神経解剖 |
Research Abstract |
雄日本猿をケタラール筋肉注射で全身麻酔し、両下腹神経を切断したのち精管膨大部、あるいは膨大部より抹消精管にHRP(Sigma.TypeII)30mgを33。3%生理食塩水溶液として2ulずつ分注した。注入後は生理食塩水で洗浄し、漏出を防ぐためワセリンで覆い閉腹した。 HRP注入48時間後に同麻酔下で開胸し、 大動脈より4℃で還流固定をおこなった。固定後直ちに必要臓器を摘出し、4℃sucrose加0.1MPB傾配で処理後クリオスタットで切片を作成した。各神経切片はTMB法で組織学的処理をおこないNeutral redで対比染色を行い検鏡した。HRPを注入しない側の精管膨大部、精嚢、尿道球腺などは同様に凍結切片作成後各種抗体(抗Ach、抗CGRPなど)をもちいて免疫組織化学(PAP)法を用い観察した。 1)雄日本猿の前立腺背外側には大きな骨盤神経叢が認められた。精管膨大部、抹消精管にHRPを注入した反対側の骨盤神経叢にもHRP標識細胞が認められ、このレベルでの左右の神経交差が確かめられた。 2)交換神経幹神経節については、第3腰椎から第5腰椎の高さに位置する交感神経神経節にHRP標識細胞が認められた。 3)HRPを注入しない側の精嚢間質および尿道球腺を免疫組織化学的に検索すると、神経ペプチドであるCGRPおよびSubstance陽性細胞が認められた。 4)今後、雄日本猿を用いて自律神経を電気刺激し、下腸管膜動脈神経節を構成する繊維群のなかで射精時のseminal emission(精巣上体尾部から後部尿道への精液の排出)と内尿道口の閉鎖を生ずる腰内蔵神経を同定し、その椎体レベルでの起始構成についての解剖学的検討をすすめる予定である。
|