1994 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石症患者における潜在性代謝異常の新しい診断法の確立とその臨床応用
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06771285
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
米田 公彦 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20254344)
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Keywords | 尿路結石 / 尿酸 / プリン体 |
Research Abstract |
【目的】通常の血液・尿生化学検査では異常が認められない症例に対してプリン体を経口負荷し、潜在的プリン体の代謝と尿路結石の発生との関係について検討した。【対象および方法】対象は、結石の既往を有しない症例18例(以下非結石群)、カルシウム含有結石症例101例(以下Ca結石群)、尿酸結石症例12例(以下尿酸結石群)である。性別は全例男性、年齢は、非結石群47±13歳、Ca結石群49±13歳、尿酸結石群57±8歳であった。経口プリン体負荷試験は、プリン体としてアデニンとグアニンとをそれぞれ1gずつ経口摂取させ、尿中尿酸排泄量の変動すなわち負荷前の尿中尿酸排泄量(Uua)、負荷後0〜24時間と負荷前の尿中尿酸排泄量との差(ΔUua0-24)および負荷後24〜48時間の尿中尿酸排泄量と負荷前の尿中尿酸排泄量との差(ΔUua24-48)を測定した。非結石群におけるΔUua0-24+ΔUua24-48のmean+2SD以上を排泄過剰型、mean-2SD以下を排泄低下型とした。またmean-2SDからmean+2SDの範囲内でΔUua0-24>ΔUua24-48を排泄早期型、ΔUua0-24<ΔUua24-48を排泄遅延型とした。【結果】非結石群では排泄過剰型、排泄低下型は1例もなく、排泄早期型が16例、排泄遅延型が2例であった。Ca結石群では排泄過剰型が5例、排泄低下型は38例、排泄早期型が31例、排泄遅延型が27例であった。尿酸結石群では排泄過剰型、排泄早期型は1例もなく、排泄低下型が5例、排泄遅延型が7例であった。【考察】非結石群と尿酸結石群の結果より、排泄早期型が正常型で、排泄過剰型、排泄低下型、排泄遅延型が異常型と考えられた。このことよりCa結石群では101例中70例(70%)に潜在性プリン体代謝異常が認められ、プリン体代謝異常が結石発生に関与している可能性が示唆された。
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