1994 Fiscal Year Annual Research Report
腎結石における尿細管上皮での結晶の付着および貧食作用に関する形態学的研究
Project/Area Number |
06771288
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山内 敏樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60260816)
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Keywords | 蓚酸カルシウム結晶 / MDCK細胞 / 尿路結石 / Glycosaminoglycans / Microvillcrs |
Research Abstract |
尿路結石形成における一過程として最近注目されている結晶と尿細管上皮の相互作用を検討するため、以下の実験を行った。 1 ポリスチレン製のプレートに犬遠位尿細管細胞由来のMDCK細胞を培養し、これを一定の速度で撹拌している蓚酸カルシウム一水和物結晶の浮遊液中に垂直に固定し5分間反応させる。反応後、細胞表面を洗浄し、結晶を含まない培養液中でプレートを垂直に固定し培養を継続する。経時的に結晶・細胞の相互作用を生化学的、形態学的に検討した。その結果、反応直後には結晶は細胞表面に付着しており、多くは時間経過とともに脱落していくが、一部の結晶は細胞表面のMicrovilliによって捕捉され、さらには細胞内に取り込まれていくことが明らかになった。また、こうした結晶の細胞表面への付着あるいは細胞内への取り込みはいくつかのglycosaminoglycansによって抑制された。 2 次に、上述のような結晶・細胞の相互作用が実際の生体内での結石形成過程に占める重要性を明らかにするために、ラット結石モデルを作成し組織学的検討を加えた。高カルシウム食で1週間飼育したラットに蓚酸ナトリウムを腹腔内投与し、2時間後にその腎を摘出し偏光顕微鏡下に観察した。その結果、ラット腎の尿細管腔には多数の蓚酸カルシウム結晶が認められ、多くは上皮細胞に付着した状態で存在しており、一部には細胞内に取り込まれているものも見られた。 以上の結果より、蓚酸カルシウム結晶の尿細管細胞への付着および取り込みは、腎結石形成の初期過程における重要な現象の一つと考えられ、現在も我々はこうした結晶・細胞の相互作用の機序および促進、抑制因子についての研究を続けている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuo Kohjimoto: "Somc experimental stredies of aelhesion and endouytosis of oalcium Oxalato Crystals in the ronal tubulas cells" International Jousnal sf Urology. (in press).
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[Publications] Shoiah Ebisano: "Adhlsion of calcium oxalath crystal to Madrn-Darby Carinl Kidnly cells and coml lffects of glecosaminoglycssns or cell ingces" Eusoplan Urology. (in press).