1994 Fiscal Year Annual Research Report
先天性異所性精巣ラットの妊孕性に対する外科治療の効果
Project/Area Number |
06771293
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
友政 宏 帝京大学, 医学部, 講師 (60211405)
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Keywords | 異所性精巣 / ラット / 精巣固定術 / 造精機能障害 |
Research Abstract |
遺伝的に発現する停留精巣ラットの家系を用い、停留精巣の造精機能に対する影響と外科的治療の効果について検討した。まず片側性の異所性精巣ラットを5週齢、10週齢、15週齢、20週齢、25週齢で固定し、両側の精巣重量、血清FSH、LH、Testosterone濃度を測定し、同週齢の正常ラットと比較したところ血清FSH、LH、Testosterone濃度には有為な差は見られなかったが精巣重量は10週齢ですでに健側や正常ラットの精巣に比較して有為に低下していた。比較的早期の外科的治療の必要性が示唆された。さらにこれらの精巣および精巣上体はBouin液で固定してあり、今後組織学的な検討を加える予定である。外科的治療の効果と最適な時期を検討するため、正常ラット5匹をコントロール群とし、1週齢毎に精巣固定術を行い早期の精巣固定術の造精機能温存に対する効果を検討した。精巣重量は無治療群では比較的早期に減少していた。この精巣萎縮は早期に固定術を行うほど防止できる傾向が見られた。血清中のFSH、LH、Testosteroneの濃度はいずれの群でも有為差は見られなかった。精巣はBouin液で固定し、包埋薄切を行った。組織学的にはまだ検討を加えていないが、間質細胞(Leydig cells)と精細胞の比率や、精細胞の発達段階などを基準に評価する予定である。精巣上体の機能については不明の点が多いが、造精機能障害における精巣上体の組織学的変化についても同時に検討する。
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