1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771303
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
池上 雅久 近畿大学, 医学部, 助手 (10222861)
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Keywords | 腎移植 / ラット |
Research Abstract |
超音波診断装置Aloka社製SSD-2000TC、周波数3.5MHzコンベックス探触子にて画像表示し、RF信号出力をマッキントッシュ解析ソフトLab VIEW3にて演算処理をおこなった。ソフト内にてSpectral-shift Zero rossiry法により、RF信号をFDA値として認識し、エコー頻度ヒストグラムとして算出した。値は高値を示すほどlow densityを表し腎の浮腫が強く、逆に低値を示すほどhigh densityであり腎の線維化が強いものと考えられた。測定は4グループ、異系列ラット間(Lewis,Brawn-Norway)で腎移植を施行し、A. 免疫陽性剤無投与群、B. シクロスポリン 0.3mg/100g投与群 C. 同0.6mg/100g 投与群及びコントロールラック群とに分け検討した。コントロール群固有腎8例ではヒストグラム値11.2±8.0(mean±SD), A2腎7.7±5.9 B3腎5.2±2.2 C2腎6.3±3.2であった。しかしながら、同時に施行した摘出腎病理組織診断における浮腫、線維化との対応は明らかではなく、組織性状診断を行うには検体数を増やし、さらなる検討が必要といえよう。また、現在、カラードプラ装置にとりつけたパワー・ドプラシステムにこのヒストグラム値を対応させ、臨床症例に応用、移植腎の末梢血流状態を定量化している。慢性拒絶反応をすすみ移植腎機能の低下を示す症例では、ヒストグラム値は低値を示す傾向にあり、線維化傾向と末梢血流量の低下を示すものと考えられ、それを明らかにするため臨床における移植腎生検組織との対応を行い、ラット実験との結果をあわせ、新たなる組織性状診断として検討をすすめていく方針である。
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