1994 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣におけるGnRH様物質の遺伝子発現とその調節機構について
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06771351
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
遠藤 方哉 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 助手 (20254211)
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Keywords | GnRH遺伝子発現 / イントロンA |
Research Abstract |
[目的]卵巣にGnRH の存在することは知られているが、その遺伝子発現など詳細はいまだ不明である。今回我々はRT-PCR法、5´RACE-PCR法、North-ern Blot法、によりGnRHの遺伝子発現およびその調節を検討した。[方法]8週齢ラット卵巣からtotal RNAを調整し、DNaseにて処置後、イントロンA〜エクソンIVまでの種々プライマーを用いてRT-PCRを施行した。また5´RACE-PCR法により転写開始点の同定を行った。次に4週齢ラットを対照群、PMSG刺激群、PMSG-HCG刺激群の3群に分類、Northern Blot法によりGnRH mRNAの発現とその変化を検討した。[成績]RT-PCR法により視床下部typeのものとイントロンAを含むGnRH mRNAを検出した。これらのPCR productはDirect Sequence法により塩基配列を確認した。さらに5´RACE-PCR法により卵巣におけるGnRHmRNAの転写開始点が、視床下部typeのpromotorの他にイントロンAにも存在することが示唆された。次にNorthern Blot法では視床下部typeのプローブを用いた場合、GT1-7細胞で約600bpのバンドを検出したが卵巣では約4kb,6kbのバンドを認めた。さらにイントロンAを規定するプローブを用いてre-probeしたところ、卵巣ではより強く約4kb,6kbにバンドを認めた。しかしGT1-7細胞ではシグナルは検出されなかった。またこれらのバンドはPMSGさらにHCG投与により発現量の増加がみられた。[結論]ラット卵巣においてGnRH mRNAは視床下部のそれとは異なる長さのものも存在し、この違いはイントロンAを含んでいると考えられた。そしてこれは、卵巣では視床下部のそれとは異なるpromotorが存在することが示唆された。これらはPMSG-HCGにより調節を受けており生体内での作用を有すること考えられる。
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Research Products
(2 results)