1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771474
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
青柳 満喜 産業医科大学, 医学部, 助手 (30241186)
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Keywords | 一過性聴覚障害 / 音響暴露 / サリチル酸 |
Research Abstract |
(目的)音響暴露による一過性の聴覚障害の発生機序を探究するにあたり、臨床的に同じく一過性の難聴をきたすサリチル酸による聴覚障害との電気生理学的な比較、検討を行うこと。 (方法)研究実施計画に従った。 1.作製、使用した人工外リンパ液の組成は以下の通りである。 :NaCl 133.5mM, KCl 4.5mM, MgCl_2 0.4mM, CaCl_2 1.8mM, NaHCO_3 20mM 2.サリチル酸は、上記人工外リンパ液に溶解し、10mMの濃度で投与した。 3.潅流は、3ml/minで10分間行った。音響は、4kHzの純音を100dBSPLで10分間暴露した。 (結果) 1.サリチル酸投与により、CM(蝸牛マイクロフォン電位)の出力は増大した。しかし、音響暴露では逆に軽度減少した。 2.サリチル酸を投与した場合、CAP(第8脳神経の複合活動電位)は水平型の闘値上昇を示した。また、これに音響暴露を加えると、対照液潅流時に音響暴露した場合と同程度の闘値上昇(5kHzを中心とするディップ型)がさらに付加された。 (考察)音響による一過性聴覚障害とサリチル酸によるそれとは、異なった部位の障害により生じており、互いに影響を与えず独立していると考えられた。
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