1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771481
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野呂 洋子 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60012100)
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Keywords | グルタミン酸 / 免疫組織化学 / 視細胞 / 遺伝性網膜変性 / マウス |
Research Abstract |
1 特異性の高い抗グルタミン酸抗体を用いて、光顕で正常アダルトマウス網膜のグルタミン酸様免疫反応を見たところ、視細胞内節、外網状層、神経節細胞層にやや強い染色が認められ、双極細胞が大半を占める内顆粒層の外層、内網状層にも染色が見られた。1989年にRossらが生化学的に高速液体クロマトグラフィー法を用いて、各層ごとに薄切したアダルトラット網膜のアミノ酸量を調べた結果と、今回の結果はよく一致していた。次に対象を視細胞変性(rds)マウスとし、週齢ごとにrdsマウスと正常マウスとを比較すると、1週齢では両者の各層で差がないものの、2週齢では視細胞内節でグルタミン酸様免疫反応の増加が見られ、rdsマウスにおいて形態的な変性の始まる生後3週齢では視細胞内節、外網状層、内網状層で増加していた。9週齢では視細胞内節で増加、内網状層でもやや増加、外網状層で低下していた。 2 透過型電子顕微鏡を用いた、単位面積当たりのグルタミン酸様免疫反応の比較では、rdsマウスの視細胞内節において2週齢・3週齢・9週齢で有意な増加を認めた。外網状層では有意差は認められなかった。 3 免疫組織化学的に差の大きかった生後3週齢と9週齢のrdsマウスにおいて、微量アミノ酸分析を行った結果、生後3週齢・9週齢とも網膜全体の蛋白当たりのグルタミン酸濃度では正常マウスとの有意差は認められなかった。 以上のことから、遺伝的視細胞変性ニワトリに続いて、視細胞変性(rds)マウスにおいても、変性がみられる前の生後2週齢から、視細胞に比較的限局したグルタミン酸の蓄積が生じていることが示された。
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Research Products
(1 results)