1994 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-I関連ぶどう膜炎(HAU)のHLAの検索
Project/Area Number |
06771515
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上永吉 達彦 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40253877)
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Keywords | HTLV-I associated uveitis(HAU) / human leukocyte antigen(HLA) / A2 / A24 / DR14 / DQ7 |
Research Abstract |
【目的】etiology unknown HTLV-I positive uveitis(HAU)の臨床像を細分類すること.【手段】etiology unknown HTLV-I negative uveitis (EUU)のHLAを検索し,比較した。【対象】HAUのHLAの研究(平成4年度文部省がん特別研究総括班の研究の一環として,九州と沖縄の9大学病院と首都圏の2大学病院を受診したEUU97例.【方法】各大学病院で患者(EUU)の同意を得た後,検体(EUUの血液)が採取された.検体は鹿児島大学眼科に送られ,鹿児島大学ウイルス学教室の設備を使用して検体からリンパが分離され,一旦液体窒素(タンク)に保管された.検体は後日取り出され(解凍され),HLAが検索された.【結果】(1)EUUのHLAの遺伝子頻度をみると,HAUと比較してDQ7が有意に少なかった。また、コントロールと比較して,HLA-A26やB27,B51,DR14,DQ4が有意に多く,Cw1とCw3が有意に少なかった.(2)過去に眼疾患との関連が指摘されているHLA,即ちB7,やB27,B51,DR2,DR4,DR5(DR11,DR12),DQ4のいずれかを保有する頻度みると,HAUもEUUもコントロールと比較して有意に多かった.HAUとEUUの間には有意差はなかった.(3)A2,もしくはA24を保有する保有する頻度みると,EUUはHAUより有意に少なかった.コントロールとは有意差はなかった.(4)EUUのhaplotypeの頻度をみると,A26 Cw3 B61 DR4 DQ4(4.6%)やA2 Cw- B54 DR4 DQ4(2.7%),A2 Cw- B51 DR4 DQ4(2.1%)などがコントロールと比較して有意に多かった.(5)HAUの臨床症状とHLAとの間には有意な相関は認められなかった.【結論】HAUの臨床像の細分類には至らなかったが,HAUもEUUも眼疾患の素因のある集団であることが考えられ,またHAU発症にHLA-A2,もしくはA24が関与している可能性が示唆された.
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