1994 Fiscal Year Annual Research Report
上皮成長因子(EGF)のヒト房水中における存在意義について
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06771526
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
本合 幹 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10254343)
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Keywords | ヒト房水 / 上皮成長因子 / フィブロネクチン / 角膜内皮 |
Research Abstract |
1、白内障手術時に採取された43眼(男性13眼、女性30眼、年齢75.0±8.1歳)の前房水中上皮成長因子(EGF)を、免疫酵素抗体法(EIA)により測定した。ヒトEGF標準品より得られた回帰分析の結果78pg/ml以上の濃度で測定可能であり、43眼中24眼で前房水中EGFは測定された。24眼のEGF濃度は91〜1078pg/ml(平均277pg/ml)であった。検出限界以下であった19眼および測定された24眼について性別、年齢、眼疾患(緑内障)、全身疾患(糖尿病)との関連性について検討したが、有意の相関は得られなかった。 2、13眼について、スペキュラーマイクロスコープによる中央部の角膜内皮形態(細胞数および面積)と前房水中EGF濃度との相関について検討した。13眼中8眼についてEGFは測定されたが、内皮形態との関連性を言及するに至らなかった。また否検出例と内皮形態に有意の相関を認めなかった。 3、白内障手術時に切除された水晶体前嚢片からの水晶体上皮細胞の培養を試みたが、細胞増殖活性を測定するほどの細胞数を得る培養に至っていない。すなわち、ヒト水晶体上皮細胞のEGFレセプターの解離定数および数の測定に至っていない。 4、細胞接着因子であるフィブロネクチン(FN)については、EIAにおけるヒトFN標準品の回帰分析の結果、20ng/ml以上の濃度で検出可能であった。54眼の前房水中FN濃度を測定したところ、42眼で測定され60.5±18.8ng/mlであった。房水中ヒトEGF濃度と他の成長因子(FGF、TGF-β)およびFN濃度との関連については、現在検討中である。
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