1994 Fiscal Year Annual Research Report
低分子蛋白自家血清を用いた機能的ICGビデオ蛍光虹彩血管造影の研究について
Project/Area Number |
06771546
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川原 純一 東京医科大学, 医学部, 講師 (50201447)
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Keywords | インドシアニングリーン / 赤外蛍光血管造影 / 虹彩 / 螢光漏出 |
Research Abstract |
無菌的に限外ろ過により家兎自家血清からアルブミンを含む分子量100、000以下の蛋白分画を分離しIndocyaninegreen(ICG)を混入しその8mg/kgを耳静脈より注入し、Scanninglaser ophthalmoscope(SLO)を用いて家兎眼の赤外蛍光虹彩血管造影を施行した。正常家兎眼では明瞭な虹彩血管造影像を認めたが眼内バリアーの破綻に由来すると考えられるICG蛍光漏出はみとめられなかった。次に予め経瞳孔的に虹彩にアルゴン光凝固を施行し眼内バリアーを破壊した家兎に同様に赤外蛍光虹彩血管造影を施行したところ造影初期より著しいICG蛍光漏出を認めた。しかしながらICG単独による蛍光造影にても上記と同様の結果が得られ、著しい眼内バリアーの破壊が有る場合ICGの血中での結合状態にかかわらず血管外への漏出が観察されることが分かった。 次に低分子蛋白血清に存在するアルブミンと高分子蛋白質に対するICGの親和性をSuperose12HRのカラムを用いたHPLCシステムにて検討した。家兎より採取した血清にICGを結合させHPLCに注入した。30%アセトニトリル70%蒸留水を緩衝液とし、流速0.5ml/ml、紫外線吸光度280nmにて蛋白質のピークを同定し20個の分画に分けた。そしてそれぞれの分画から吸光計度を用いて805nmにてICGのピークを調べた。その結果分子量20万以上の分画に大きなピーク、アルブミンの分画に小さなピークを認め、ICGが高分子蛋白質により親和性が高いことが推定された。今後はin vitroにてアルブミンのような低分子蛋白質にICGが容易に結合する方法を検討し機能的ICG蛍光虹彩血管造影の確立を目指す。
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