1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771550
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 勉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60256386)
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Keywords | ミューラー細胞 / GFAP / グリア / サイトカイン |
Research Abstract |
生後1週のラットの眼球から得られた網膜を一定の条件で培養すると、網膜のグリアであるミューラー細胞が選択的に増殖することが確認された。この確認にはグリア細胞のマーカーであるGFAPを用いた。この初代培養において9割以上の細胞がGFAP陽性であった。この系を用いて各種サイトカインの培養細胞に対する影響を調べた。陽性率の判定はFITCとロ-ダミンを用いた二重染色法により行った。 1)培養細胞をサイトカインで刺激しない場合、Ia抗原の陽性率は約10%であった。 2)培養細胞にコンカナバリンAで刺激したラットのリンパ球培養上清を加えることでIa抗原の発現率は著しく上昇した。この培養上清中にインターフェロンγ、インターロイキン-I、TNFαが存在していることがELISA法により確認された。 3)培養細胞を市販のインターフェロンγおよびTNFαで48時間刺激すると陽性率はそれぞれ約80%に上昇した。 以上の実験から培養グリア細胞におけるIa抗原の発現はインターフェロンγおよびTNFαにより増強されることが確認された。このことからミュラー細胞は眼内での免疫反応の初期の段階に関与している可能性が示唆された。
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