1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771559
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
立川 晶子 関西医科大学, 医学部, 助手 (10227085)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / 貧食 / 免疫電顕 / 液胞型H^+-ATPase / バフィロマイシンA_1 |
Research Abstract |
網膜色素上皮細胞(RPE)における貧食の初期過程をライソゾーム酵素を用いて免疫電顕的に、また貧食胞内腔の酸性化とライソゾームとの融合との関係をDAMP法を用いて検討した。貧食胞内腔の酸性化は、ライソゾームとの融合により液胞型H^+-ATPase(V-ATPase)が貧食胞膜に供給されることによると考えられる。そこでV-ATPaseの特異的阻害薬であるバフィロマイシンA_1を眼内に注入し、外節の貧食、消化過程にどのような影響が与えられるかを検討した。 1.明期開始直後のRPEには、カテプシンDを含まない貧食胞とカテプシンDを含むライソゾームが融合している像が多く観察された。カテプシンDは、ごく初期の貧食胞には検出されないが、消化過程にある貧食胞には多数検出され、カテプシンDの増加に伴い、オプシンの反応が低下していく過程が観察された。 2.ライソゾーム膜蛋白であるLGP107は、貧食胞膜に検出されたが、plasma membraneには検出されなかった。 3.カテプシンDとDAMPの二重染色により、ライソゾーム融合後、貧食胞内腔のpHが著しく低下することが示された。 4.バフィロマイシンA_1の硝子体内注入により、貧食胞内のpHが上昇し、貧食胞内の消化過程が顕著に抑制され、分解のほとんどみられない外節をふくむ貧食胞がRPE内に多数蓄積した。内容物の分解が進行していないことは、オプシンが貧食胞内に多数検出されることにより確認された。蓄積した貧食胞内には、カテプシンDが検出されたことから貧食胞とライソゾーム間の融合は、バフィロマイシンA_1存在下でも正常に行われていると思われた。又、注入後3-4時間でコントロールとの差が消失し、バフィロマイシンA_1の効果は、可逆的であった。
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