1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒルシュスプルング病の無神経節腸管に対するnitric oxideの薬理
Project/Area Number |
06771571
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 宏治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20240484)
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Keywords | ヒルシュスプルング病 / Nitric Oxide (NO) / Extensive Aganglionosis |
Research Abstract |
研究結果 1、正常マウス腸管およびヒト・ヒルシュスプルング病(H病)正常部腸管におけるフィールド刺激による検討。 (1),マウスおよびヒトの正常部腸管では、硫酸アトロピン、フェントラミン投与下での非アドレナリン非コリン作動性弛緩反応(NANC弛緩反応)がみられた。この弛緩反応は、NO(nitric oxide)合成酵素阻害剤N-ニトローL-アルギニンの投与で減弱し、NO合成酵素基質L-アルギニンの投与で回復を示した。 (2),マウスおよびヒトの正常部腸管では、NO供与剤ニトロプルシドによる弛緩反応がみられた。 以上(1),(2)のことからマウスおよびヒトNANC作動性弛緩反応の一部にNOの関与があると考えられた。 (3),マウス正常部腸管による検討で、近位大腸と遠位大腸では、NOに対する反応の差が認められた。近位大腸では、遠位大腸に比べN-ニトローL-アルギニンによる弛緩反応の抑制が強かった。 2、無神経節マウス無神経節腸管における検討。 マウス無神経節腸管では、NOを介するNANC作動性弛緩反応は欠如していた。 3、ヒトH病無神経節腸管における検討。 (1),ヒトH病無神経節腸管では、NANC作動性弛緩反応はみられなかった。しかし、Extensive aganglionosisの一例では、NOの関与するNANC作動性弛緩反応を示した。 (2),ヒトH病無神経節腸管は、NO供与剤ニトプルシドの投与にて弛緩した。
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