1994 Fiscal Year Annual Research Report
埋没後の放置時間と加熱速度が急速加熱型石膏系埋没材の膨張量に及ぼす影響
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06771725
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渋谷 昌史 長崎大学, 歯学部, 助手 (40253679)
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Keywords | 急速加熱 / 石膏系埋没材 / 歯科鋳造 / 加熱開始時期 / 加熱速度 |
Research Abstract |
急速加熱型石膏系埋没材の膨張量に関する基礎的データを得る目的で、1)硬化膨張量、2)加熱開始時期(練和開始から30、40、50、60および120分)ならびに加熱速度(急速加熱、室温から10℃/minおよび20℃/minの昇温速度で700℃まで)が加熱膨張量に及ぼす影響について検討した。材料はGC CRISTOQUICK IIを、メーカー指示の混水比で真空練和して使用した。1)については、埋没材泥を横型膨張計に流し込み、経時的な膨張量の変化を測定した。2)については、練和開始から20分後の円柱状硬化体(10mmφ×50mm)を作製し、横型熱膨張計を用いて上記条件で加熱した場合の膨張率を求めた。得られた結果は以下の通りである。 1.硬化膨張量は練和開始から約60分後まで増加し、120分後の膨張量は従来型のそれよりも大きかった。 2.加熱膨張率は加熱開始時期および加熱速度の影響を受けなかった。 3.総膨張量は加熱開始時期の影響を受け、練和開始から50分までは硬化膨張量の増加とともに総膨張量も増加した。 4.総膨張量は加熱速度によらず、ほぼ一定の値を示した。 上記の結果より、急速加熱鋳造における鋳造体の寸法変化には、硬化膨張の継続途中に加熱を開始することによって生じる硬化膨張量の差が影響すると思われ、この埋没材を用いる場合は、加熱開始時間を考慮する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)