1994 Fiscal Year Annual Research Report
脱抗生物質を目指した生薬の歯周疾患に対する局所応用
Project/Area Number |
06771743
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
元村 洋一 明海大学, 歯学部, 助手 (50245172)
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Keywords | 成人性歯周炎 / D.D.S. / 金銀花 / MCP-1 / IL-6 / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
近年,歯周疾患の局所治療として抗生物質を用いたドラッグデリバリーシステム(D.D.S.)が盛んに用いられてきているが,社会的にも問題になったMRSAはじめ耐性菌などの問題もあり,抗生物質を用いないD.D.S.の必要性を報告者は長く訴えてきた。そのような観点から,抗生物質のような副作用の少ない中医薬に注目し,る生薬を成人性歯周炎の抗炎症局所治療薬として臨床応用を試みたところ,金銀花・連翹混合煎剤が,歯周疾患の臨床パラメーターである歯肉溝滲出液量,およびプロービング時の出血を有意に抑制することが分かった。そこで,この中医薬のもつ抗炎症効果のメカニズムをin vitroから検索するために,近年,歯周疾患の成立に関与すると言われてきている単球特異的走化性因子であるMCP-1を指標として用い,金銀花の抽出液が,ヒト歯肉線維芽細胞で炎症性サイトカインにより誘導されるMCP-1の遺伝子産物の産生,および遺伝子発現を抑制するか否かについて検討を行った。 その結果,金銀花抽出液1オg/mlの濃度でMCP-1の遺伝子発現,ならびにその遺伝子産物の産生を抑制した。また,同様にIL-6遺伝子発現も抑制した。このことから,金銀花抽出液にはMCP-1およびIL-6の遺伝子発現を押さえ歯周組織局所でのサイトカインネットワークの乱れを押さえることにより抗炎症効果を発揮するものと考えられた。 同様の方法で連翹および金銀花と連翹の相互作用について検討を行っている。今後,歯周疾患に対する抗炎症効果が期待できる他の生薬についてもin vivo,in vitroを含む詳細な検討を行って中医薬による歯周疾患に対するD.D.S.
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Research Products
(1 results)