1994 Fiscal Year Annual Research Report
三次元培養法における上皮層へのLPSの浸透性に関する免疫組織学的研究
Project/Area Number |
06771748
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小杉 禎久 昭和大学, 歯学部, 助手 (00255879)
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Keywords | 三次元培養法 / LPS / 上皮層 / コラーゲン・ゲル |
Research Abstract |
歯周組織を構成する歯肉上皮は、組織学的に角化上皮と非角化上皮に分類される。角化上皮の表層に存在する角化層は、外来刺激に対するバリアーとして働くと考えられている。また、非角化歯肉は微小顆粒(MCG)の存在により生理的通過性関門を形成している。しかし、このような歯肉上皮の防御機構に対しグラム陰性桿菌の構成成分であるLPSがどのような影響を及ぼしているか不明な点が多い。 そこで、本研究はコラーゲン・ゲルを用い実験的な歯周組織モデルを応用しLPSが上皮細胞にどのような影響を与えるか検討するものである。 先ず、角化上皮層と非角化上皮層を得るために前実験を行った。実験には、ダブルチャンバー法を用い線維芽細胞を含有するコラーゲン・ゲル上に上皮細胞を植えつけ培養を行った。角化層を得るために培養上皮細胞上の培養液を抜取り、空気に暴露する群を作製した。一方、非角化層の群は、空気に暴露せずに上皮細胞を培養液で満たすことにより作製した。 この結果、空気に暴露した群の上皮細胞は重層構造を呈し、その表層は細胞小器官が消失を認めたが核は残存し錯角化の状態であった。また、空気に暴露せずに培養液に満たされた上皮細胞は重層構造を示すものの、その表層は核が存在し、細胞質内にはトノフィラメントの形成を認めた。 上記の方法によって得られた角化、非角化の上皮層に対し、現在Escherichia coli 055:B5由来のLPSを含有する培養液を作用させ上皮層への影響を検討中である。
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