1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771754
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉沼 直人 日本大学, 歯学部, 助手 (00210740)
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Keywords | フッ化スズ / 歯肉線維芽細胞 / Streptococcus mutans |
Research Abstract |
フッ化第一スズの局所塗布に関して,最も一般的に用いられている濃度の8%フッ化第一スズ水溶液を使用し,ヒト抜去歯よりスケーリング,ルートプレーニングとほぼ同等の粗さを有する試片を作製し、ヒト歯肉線維芽細胞を使い、細胞の付着増殖に対する影響を調べた。走査電子顕微鏡による試片の表面観察、ギムザ染色による付着細胞数の計測を行った。生理食塩水を塗布したコントロール試片と比較して、8%フッ化第一スズ水溶液4分間塗布試片はギムザ染色による細胞数の付着は有意に少なく、走査電子顕微鏡による観察で表面はスズの不溶性リン酸塩と推測される球状物質の付着が観察され、細胞は観察できなかった、これにより、一般的に歯面局所塗布に使用する8%では歯面への沈着性は強いが歯周外科手術後の治癒,歯肉縁下への使用への制限が示唆された。 また、患者側のプラークコントロールの補助として、0.4%フッ化第一スズ含有ペーストの使用における有用性を検索した。全身的に健康な被験者を対象に、Gel-Tin(ヤングデンタル社,USA)を朝晩1日2日、ブラッシング後に使用させた。診査項目は歯肉の炎症指数(GI)、出血傾向(BOP)、プラーク指数(PlI)、プラークコントロールレコード(PCR)および唾液中のStreptococcus mutans数を測定した。2週間の使用により各診査項目の値は有意に低下した。ペーストの使用を中止させたところ、2周目で、各診査項目の値は有意に上昇し、使用前のレベルとほぼ同様になった。これにより、0.4%フッ化スズ含有ペーストの臨床使用の有用性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Naoto Yoshinuma 他5名: "The In hibitory Effect of Endotoxin on Growth of Human Cell Lines" J.Nihon.Univ.Sch.Dent.36. 139-144 (1994)
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[Publications] 藤川謙次 他9名: "高度テ-パ-ド毛歯ブラシのプラーク除去効果に関する研究" 日本歯周病学会会誌. 36. 206-214 (1994)
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[Publications] 岩崎直弥 他20名: "アセスAによる歯周ポケット内洗浄が臨床症状および細菌叢におよぼす効果について" 歯科薬物療法. 13. 86-95 (1994)