1994 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ根分岐部骨欠損へのアパタイト-コラーゲン複合体の応用に関する病理組織学的検討
Project/Area Number |
06771779
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
金澤 篤 朝日大学, 歯学部, 助手 (60257532)
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Keywords | アパタイト-コラーゲン複合体 / 骨補填材 / 根分岐部 / 歯周骨欠損 |
Research Abstract |
ビ-グル犬6頭に実験的に炎症を惹起させて作製した根分岐部の歯周骨欠損にアパタイト-コラーゲン複合体を人工代用骨として応用し、生体に対する反応ならびに骨補填材としての有用性を検討するために実験を行った。動物実験では、分岐部歯周欠損の最も歯槽骨よりの根面上にノッチを作製しそのノッチを基準として新生骨の高さで評価を行った。その結果、根分岐部に埋入したアパタイト-コラーゲン複合体は、14日後の、X線撮影では存在を確認する事はできなかった。これは生体内のアパタイト-コラーゲン複合体が吸収されたため確認できなかったものと考えられる。また、病理組織学的検討を行った結果コントロールとして用いた未充填の根分岐部歯周骨欠損と比較した場合、有意に差を認めることはできなかった。さらに、この結果より1カ月、2カ月ともに同様の結果が予想されたため、X線撮影の評価のみを行ったが、有意差はやはり認められなかった。これは、歯周組織内での生体反応によるアパタイト-コラーゲン複合体の吸収が予想以上に早いことが原因であると考えられ、これにより根分岐部歯周骨欠損での骨新生の治癒過程にアパタイト-コラーゲン複合体の吸収が速すぎたことが原因ではないかと考えられる。このため骨の新生が行われるためには吸収期間の調節が必要であると示唆される。これまでの報告からアパタイト-コラーゲン複合体は、石灰化期間を延長することにより、コラーゲン上に析出するアパタイトの量を増加させることが可能である。アパタイトの量が増加すれば、吸収時期も延長することが予想され、そのため今後石灰化期間を延長したアパタイト-コラーゲン複合体を作製し、歯周骨欠損に埋入して病理組織学的に検討を行う必要がある。
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