1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連細菌heat shock proteinについて基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
06771787
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
柳楽 たまき 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90261015)
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Keywords | A.actinomycetemcomitans Y4 / GroEL様タンパク質 / ウエスターンブロット法 / 歯周炎患者血清中抗体 / 臨床パラメーター |
Research Abstract |
【方法】実験のサンプルとして、歯周炎患者(男性30人女性50人)から血清を採取し、またActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)Y4を42℃、3時間培養した。A.a.Y4を抗原とし、患者血清を抗体として、ウエスターンブロット法を行うことによって、抗原抗体反応を確かめた。特に64KDaタンパク質(GroEL様タンパク質)に対する、患者血清中抗体の出現の有無と、臨床所見について検討した。臨床所見は臨床パラメーターとして、プロービングデプス(PD)の平均、プロービング時出血(BOP)率、骨吸収率を用いた。 【結果】患者80人を臨床診断で分類した早期発症型歯周炎患者53人中ウエスターンブロット法にてA.a.に反応した者が25人、さらにGroEL様タンパク質に反応した者が5人であった。成人性歯周炎患者では27人中A.a.に反応した者が8人、さらにGroEL様タンパク質に反応した者は4人であった。また、患者を年齢別に分類してみるとGroEL様タンパク質に対する抗体出現に年齢別傾向はなかった。GroEL様タンパク質に対する抗体の出現といずれの臨床パラメーターとの間にも相関は認められなかった。 【考察】A.a.のGroEL様タンパク質に対する抗体の出現と臨床所見について検索したが、関連性は認められなかった。その理由として、今回用いた患者血清のほとんどが初診時に採取されており、初診時の病歴、病態が異なるステージにあったためではないかと思われた。今後、病態病歴などの条件を合わせ、さらに検索を続けていく予定である。
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